漢方薬の副作用についてまとめてみる
効果について考えるのも大事だが
副作用について系統立てて考えるのも大事だということで手元の資料をまとめてみる。
<漢方薬の副作用>
副作用について考える時は生薬単位で行うとよい
1)薬理作用によるもの(用量依存性)
①甘草:偽アルドステロン症:浮腫・体重増加・血圧上昇・血清K低下(脱力・不整脈)→発症後、漢方中止およびK負荷でも改善されない時は、抗アルドステロン作用のあるスピロノラクトン・エプレレノン使用するとよい
②麻黄:エフェドリンによるβ刺激・中枢興奮作用:高齢者では尿閉・不眠・興奮に注意
③大黄・芒硝:下剤:芒硝→硫酸Na→心不全・浮腫Ptで注意要
2)過敏反応によるもの(not用量依存性)
①間質性肺炎:小柴胡湯が有名、原因生薬として黄芩の関与が疑われる
②肝障害:特に黄芩含有製剤では頻度が高いので定期的な血液検査が望ましい
③薬疹・かゆみ:桂皮・黄耆・当帰など多数の生薬が原因と報告されている
3)その他
①特発性腸間膜静脈硬化症:山梔子の関与が疑われている:腹痛・下痢・腹部膨満感などの非特異的症状の訴え、内視鏡的に確定、無症状経過例も
②消化器症状:腹痛・胃粘膜障害・下痢など:地黄含有方剤は食後内服で軽減
<参考文献>
Kampo Square2018 Vol.15 No.14 p34-39