病院薬剤師の業務的書付

中小病院薬剤師の仕事関係メモ。まずは「はじめに」の記事をご覧ください。※薬物治療に関する個人的なご相談は受けません。

【続】低用量ドロペリドール静注の制吐作用について

ph-hagi-memo.hatenablog.com

 

【希釈】について追記。

添付文書に記載があるのは「ブドウ糖液等に希釈」のみ。

IFに配合変化表あり、生食希釈もOKと確認。

 

使用量他について追記。

 

麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン第3版

>Ⅲ静脈関連薬>ドロペリドール より

http://www.anesth.or.jp/guide/guideline-iyakuhin-index.html#g03

【使用量】

制吐薬としての成人初回投与量は最大2.5mg(筋注・静注とも)

追加投与は1.25mg(利益が危険を上回るときに限る)

PONV予防は1.0~1.25mg(麻酔前に静注)

【薬効・ADME】

PONV予防の作用時間は短い。(2時間程度か PMID:19605409)

代謝、投与量の約10%は未変化のまま尿中排泄、ドロペリドールとその代謝物は尿と糞便中に排泄。

【副作用】

錐体外路症状不整脈(QT延長・心室性頻拍)に注意

 

医療薬学会口頭演題59より

【使用量】

PONV予防時のプロトコルにおいてドロペリドール用量記載あり。

ドロペリドール0.25mg~1.25mgを予防投与に使用しているとのこと。

 

【追記を受けてどうするか】

「生食5mLで希釈しゆっくり静注」と対応した。

肝機能に不安がある患者では、0.25mgでの投与も考慮。

投与後の副作用モニタリングを行う。

(前回の記事内容に引き続き)1mgを超えない用量設定で使用する。